【赤と青のガウン_レビュー】彬子女王殿下が綴る、知的好奇心溢れるオックスフォード留学記

赤と青のガウン_レビュー
  • 商品名: 赤と青のガウン オックスフォード留学記
  • キャッチコピー: 女性皇族初の海外博士号取得者が描く、瑞々しい留学生活
  • カテゴリ: エッセー・随筆
  • 販売元: PHP研究所
  • 価格: 1,320円(記事制作時点での価格)
  • 発売日: 2024年4月3日
  • 商品リンク(アフィリエイトではありません):https://www.amazon.co.jp/dp/4569904009

概要

彬子女王殿下による英国オックスフォード大学での留学生活を綴ったエッセイ集。2001年と2004年からの計6年間の留学経験を、瑞々しい筆致で描写。女性皇族として初めて海外で博士号を取得するまでの道のりが、詳細に記されている。

商品の特徴

  • 女性皇族初の海外博士号取得者による留学記
  • オックスフォード大学での6年間の生活を詳細に描写
  • 皇族の私生活や留学生活の様子を垣間見ることができる
  • 400ページの読み応えある内容
  • 累計32万部を突破したベストセラーの文庫版

知的好奇心溢れる留学生活

本書は、彬子女王殿下のオックスフォード大学マートン・コレッジでの留学生活を綴ったエッセイ集です。2001年9月から1年間、そして2004年9月から5年間の留学経験が、瑞々しい筆致で描かれています。

特に印象的なのは、博士号取得に向けての奮闘ぶりです。「赤と青のガウン」は博士課程を修了した者だけが着ることを許される服で、著者にとっては留学生活の「目標」でした。その目標に向かって努力する姿が、生き生きと描かれています。

また、英国での日常生活や文化の違い、側衛官との関係、女王陛下とのお茶会など、皇族ならではの経験も豊富に盛り込まれています。

編集部員Impression

「赤と青のガウン」を読了して、まず感じたのは著者の知的好奇心の強さと、それを率直に表現する文章力の高さでした。彬子女王殿下の瑞々しい筆致が、オックスフォードでの留学生活を生き生きと描き出しています。

本書の最大の魅力は、皇族という特別な立場にありながら、一人の留学生として奮闘する著者の姿が描かれている点です。博士号取得に向けての苦労や、異国での生活の戸惑い、そして新たな発見の喜びなど、読者は著者の経験を追体験するかのように読み進めることができます。

また、皇族の私生活や、海外での生活の様子を知ることができるのも、本書ならではの魅力です。側衛官との関係や、女王陛下とのお茶会の様子など、普段は知ることのできない経験が詳細に描かれています。

著者の文章力も特筆に値します。学術的な内容を扱いながらも、決して難解にならず、むしろ読者を引き込むような親しみやすい文体で綴られています。これは、著者の知的好奇心と、それを伝えたいという強い思いの表れでしょう。

一方で、本書には若干の課題も感じられました。例えば、一部の読者からは著者の言葉遣いや視点に違和感を覚えるという指摘がありました。また、皇族という特別な立場からの視点が強く出ているため、一般の読者には共感しにくい部分もあるかもしれません。

しかし、これらの点を考慮しても、本書が持つ価値は非常に高いと言えます。彬子女王殿下の知的探求の旅は、読者に新たな視点や知識を提供し、学ぶことの喜びを再認識させてくれます。

「赤と青のガウン」は、単なる留学記ではありません。それは、知的好奇心に溢れた一人の人間が、新たな世界に飛び込み、成長していく過程を描いた青春の記録でもあります。彬子女王殿下の率直な表現と豊かな経験が、読者の心を揺さぶり、学ぶことの意義について深く考えさせる作品となっています。

本書は、留学や海外生活に興味がある読者はもちろん、皇族の日常生活に関心がある読者、そして学ぶことの喜びを再確認したい読者にも強くおすすめです。400ページという読み応えのある内容ですが、著者の瑞々しい筆致に導かれ、あっという間に読み終えることができるでしょう。

読了後、きっと多くの読者が自身の学びや成長について、改めて考えるきっかけを得ることでしょう。「赤と青のガウン」は、知的好奇心を刺激し、新たな世界への扉を開く、貴重な一冊となっています。