【自分とか、ないから。教養としての東洋哲学_レビュー】生きづらさがマシになる?衝撃の哲学入門

自分とか、ないから。教養としての東洋哲学_レビュー

商品情報:

  • 商品名: 自分とか、ないから。教養としての東洋哲学
  • キャッチコピー: 生きづらさがマシになる(かもしれない)
  • カテゴリ: 哲学、教養
  • 販売元: サンクチュアリ出版
  • 価格: 1,650円(記事制作時点での価格)
  • 発売日: 2024年4月23日
  • 商品リンク(アフィリエイトではありません):https://www.amazon.co.jp/dp/4801401279/

商品概要

「人生でやりたいことってなんだろう?」「本当の自分ってなんだろう?」そんな全・自分迷子に贈る、衝撃の哲学本がここに誕生。すべての答えは、「東洋哲学」にあった!東大卒の無職・しんめいPが、虚無感から這い上がるために読みあさった東洋哲学の精髄を、ポップでわかりやすい文章で紹介。ブッダ、老子、空海など7人の哲学者たちの教えを通じて、この世界や自分の見え方が変わる一冊です。

商品の特徴

  • 東洋哲学の難解な概念を、ポップでユーモアたっぷりの文章で解説
  • 著者の実体験に基づいた、リアルな悩みと哲学の結びつき
  • 7人の東洋哲学者(ブッダ、龍樹、老子、荘子、達磨大師、親鸞、空海)の教えを紹介
  • 各章にはわかりやすいイラストや図解が豊富
  • 現代の生きづらさに対する、東洋哲学からのアプローチを提示

本文

1. 「無我」で自分探しから解放される

ブッダの教えである「無我」の概念は、現代人の「自分探し」の呪縛から解放してくれます。著者は自身の経験を交えながら、「自分なんてない」という衝撃の真理を軽やかに説明します。

「自分って何だろう?」と悩む代わりに、「そもそも固定的な自分なんてない」と考えることで、逆に自由になれる可能性を示唆しています。

2. 「空」で世界の見方が一変する

インドの哲学者・龍樹が説いた「空」の思想は、この世界がフィクションであるという驚くべき視点を提供します。著者は「空」を理解することで、日常の悩みや執着が薄れていく過程を、ユーモアを交えて描写しています。

例えば、仕事や人間関係の悩みも、「空」の視点から見れば、それほど深刻に捉える必要がないことに気づかされます。

3. 「道」でありのままの生き方を学ぶ

中国の老子と荘子が説く「道」の思想は、自然体で生きることの大切さを教えてくれます。著者は「道」の考え方を現代生活に応用する方法を、具体的な例を挙げて紹介しています。

就活や転職、恋愛など、現代人の悩みに「道」の思想をどう活かせるか、実践的なアドバイスが盛り込まれています。

4. 「禅」で言葉の呪縛から解放される

達磨大師の教えを基にした「禅」の思想は、言葉や概念にとらわれない生き方を示唆します。著者は、現代社会で情報過多に悩まされる我々に、「禅」の考え方がどう役立つかを解説しています。

SNSやニュースに振り回される日常から一歩引いて、本質を見る目を養う方法が紹介されています。

5. 「他力」でダメな自分を受け入れる

親鸞の「他力」思想は、自分の力だけでなく、他者や環境の力を借りることの大切さを教えてくれます。著者は、完璧を求めすぎる現代人に、「ダメな自分」を受け入れる勇気を与えてくれます。

自己啓発とは真逆の「あきらめ」の哲学が、逆説的に人生を豊かにする可能性を示しています。

編集部員Impression

本書を読んで、東洋哲学がこんなにもポップで身近なものだったのかと驚きました。著者のしんめいPさんの軽妙洒脱な文体と、自身の経験に基づいた解説は、難解な哲学概念を極めて理解しやすいものに変えています。

特に印象的だったのは、各哲学者の教えが現代の悩みにどう適用できるかという点です。就活、人間関係、自己実現など、読者の身近な問題に対して、東洋哲学がどのような視点を提供してくれるのか、具体的に示されています。

また、本書を通じて、「自分探し」や「自己実現」に縛られがちな現代人の生きづらさに、新たな視点を与えてくれることを実感しました。「自分なんてない」「この世界はフィクション」といった一見ネガティブに聞こえる概念が、逆に生きる自由を与えてくれるという逆説は、非常に新鮮で心に響きました。

哲学書というと敷居が高く感じる方も多いと思いますが、本書は哲学初心者にもおすすめできる一冊です。東洋哲学の基本的な考え方を学びつつ、現代社会を生きるヒントを得られる、知的好奇心を刺激する良書だと感じました。